勝村久司さんという方が、昨日のダイヤモンドオンラインで、「日本医療の問題」としてのレポートを書かれていました。
よく存じ上げていなかったのですが、勝村さんは陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組まれているそうです。
レポートではインフォームドコンセントに絡めて、群馬大学病院の医療事故について切り込んでいます。
日本の医療では「インフォームドコンセント」の意味を勘違いしているケースが多いと説明されています。
まず2011年に日本内科学会が作成した「研修カリキュラム」に記載されている定義をそのまま転載します。
インフォームド・コンセントとは、意思決定能力(判断能力、治療同意判断能力などともいう)を備えた患者が、
誰からも強制されていない状況下で、十分な情報の開示と医師の奨励を受け、それらを理解したうえで、
医師の奨励する診療計画に賛成し,医師に当該行為を患者に行うことを許可することである
日本では単に、「手術等の内容の説明をして同意文書にサインをしてもらう、という行為だと勘違いしている」ケースが多いと言われています。
患者が自分自身の価値観やライフスタイルによって意思決定することが重要なわけです。
今回の群馬大学病院のケースでは、手術の前日に十分の時間をかけて説明をし同意をとった、イコール、「インフォームドコンセント」はなされたと主張されていました。
しかし、入院して検査をして、さあいよいよ手術という前日になって説明されたとしても、自分で検討する余地が残されているでしょうか?
もはや「明日よろしくお願いします」としか選択肢はありませんよね。
「インフォームドコンセント」というなら、手術の場合、治療方針を決める段階、すなわち入院前の外来時などに手術を選択するかどうかを決めるときであって、十分な検討時間をもって、メリット・デメリットも考えて選択できるようにしなければなりません。
これは手術の時だけではありません。
どんな治療であっても、どういう状況であって、どういう選択肢があって、リスクが何で・・・
そういった説明が十分にあって、患者自身が判断して、医師にその治療行為を許可するってことです。
十分に「インフォームドコンセント」がなされない事故は、欧米では「医療犯罪」にもなりえます。
初めに説明がないなんてことは、日本の医療全般でのことなのですが、精神医療なんて、その典型ですよね。
ベンゾジアゼピンや抗うつ剤を服用することのメリット・デメリットなんて説明されたことはなく、治療のためにはそれしかないと思っていたはずです。
まあ、説明されても飲んだかもしれませんが、それはまた別問題です。
「服用続けると、先々依存症や能力・思考の低下といった副作用がでる場合があります」といった説明を受けても、
「今楽になりたいから、今無理しなきゃならないから飲みます」といった選択肢を選ぶ人がいたとしても、それは非難されることではありません。
多くの離脱症状に悩む患者は、「説明もされていないから、精神科医に騙された」と立腹しているわけですよね。
「インフォームドコンセント」が徹底されていれば、患者の責任もあるわけで、医者の保身にもなると思うのですが・・・
患者が多すぎて時間が足りないのでしょうか?
それとも、ベンゾジアゼピンを服用することをリスクと考えていない?
昔なら別ですが、何が何でもベンゾジアゼピンが悪で、それを処方する医師は全て悪人だなんて言うつもりはなく、ケースによってはそれを必要とすることもあるかもしれません。
ただ、信頼をもとに治療を進めるためには、初めにしっかりとした「インフォームドコンセント」が必須であるということを、改めて考えさせられました。
よく存じ上げていなかったのですが、勝村さんは陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組まれているそうです。
レポートではインフォームドコンセントに絡めて、群馬大学病院の医療事故について切り込んでいます。
日本の医療では「インフォームドコンセント」の意味を勘違いしているケースが多いと説明されています。
まず2011年に日本内科学会が作成した「研修カリキュラム」に記載されている定義をそのまま転載します。
インフォームド・コンセントとは、意思決定能力(判断能力、治療同意判断能力などともいう)を備えた患者が、
誰からも強制されていない状況下で、十分な情報の開示と医師の奨励を受け、それらを理解したうえで、
医師の奨励する診療計画に賛成し,医師に当該行為を患者に行うことを許可することである
日本では単に、「手術等の内容の説明をして同意文書にサインをしてもらう、という行為だと勘違いしている」ケースが多いと言われています。
患者が自分自身の価値観やライフスタイルによって意思決定することが重要なわけです。
今回の群馬大学病院のケースでは、手術の前日に十分の時間をかけて説明をし同意をとった、イコール、「インフォームドコンセント」はなされたと主張されていました。
しかし、入院して検査をして、さあいよいよ手術という前日になって説明されたとしても、自分で検討する余地が残されているでしょうか?
もはや「明日よろしくお願いします」としか選択肢はありませんよね。
「インフォームドコンセント」というなら、手術の場合、治療方針を決める段階、すなわち入院前の外来時などに手術を選択するかどうかを決めるときであって、十分な検討時間をもって、メリット・デメリットも考えて選択できるようにしなければなりません。
これは手術の時だけではありません。
どんな治療であっても、どういう状況であって、どういう選択肢があって、リスクが何で・・・
そういった説明が十分にあって、患者自身が判断して、医師にその治療行為を許可するってことです。
十分に「インフォームドコンセント」がなされない事故は、欧米では「医療犯罪」にもなりえます。
初めに説明がないなんてことは、日本の医療全般でのことなのですが、精神医療なんて、その典型ですよね。
ベンゾジアゼピンや抗うつ剤を服用することのメリット・デメリットなんて説明されたことはなく、治療のためにはそれしかないと思っていたはずです。
まあ、説明されても飲んだかもしれませんが、それはまた別問題です。
「服用続けると、先々依存症や能力・思考の低下といった副作用がでる場合があります」といった説明を受けても、
「今楽になりたいから、今無理しなきゃならないから飲みます」といった選択肢を選ぶ人がいたとしても、それは非難されることではありません。
多くの離脱症状に悩む患者は、「説明もされていないから、精神科医に騙された」と立腹しているわけですよね。
「インフォームドコンセント」が徹底されていれば、患者の責任もあるわけで、医者の保身にもなると思うのですが・・・
患者が多すぎて時間が足りないのでしょうか?
それとも、ベンゾジアゼピンを服用することをリスクと考えていない?
昔なら別ですが、何が何でもベンゾジアゼピンが悪で、それを処方する医師は全て悪人だなんて言うつもりはなく、ケースによってはそれを必要とすることもあるかもしれません。
ただ、信頼をもとに治療を進めるためには、初めにしっかりとした「インフォームドコンセント」が必須であるということを、改めて考えさせられました。
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Comment 2
HeartLiberty
おはようございます。
CaliforniaRocketさん、おはようございます。
こちらのインフォームド・コンセントの記事、
とてもわかりやすく
問題提起がなされていると思いました。
現行の西洋医療に、
まともな形で機能するような
インフォームド・コンセントを
一足飛びに求めること自体が
夢のまた夢(というより不可能)
だと思わざるをえません。
医者や病院側に変わってもらうことを
期待するのではなく、
私たち市民がまず意識改革をして
「このままでは病院経営は成り立たない」と
本気で彼らが危機感を感じるような力を、
まとめて行く時がきているのかもしれませんね。
多くの市民の思いが繋がれば、
「本当に治る医療の確立。」
こちらの方は、
「夢のまた夢」
では決してなく、
きっと現実のものとすることが
できるのではないかと本気で思っています。
私たちが変わらない限り
日本の病院体制が自ら進んで変わることは
とても考えられないと感じています。
長すぎるブログとなってしまいましたが、
文末あたりでご紹介しております
「アメリカに於ける精神医療業界の実態」
を示したビデオも
ぜひご覧いただきたいと思います。
日本の精神医療業界も
アメリカと大差がないことを
遅ればせながら
最近知るに及びまして、
私も愕然としております ∑( ̄□ ̄lll)
CaliforniaRocketさん、
どうもありがとうございました。
2016/09/01(Thu) 04:16
CaliforniaRocket
Re: おはようございます。
> HeartLiberty さん
こんにちは。
こういう事件が紹介されるたび、我々は医療に対して過大な期待を持ち、医者を過信しているのだと考えさせられますね。
何が正しいのか判断するのは難しいことですが、自分の身体のことですし丸投げにしないようにしなければいけないです。
今日は少し忙しかったので、ブログはゆっくりと読ませていただきますね。
2016/09/01(Thu) 21:59