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Rationality
出展は忘れましたが、こういった実験があるそうです。

Aさんが遺産のような、自分が身を粉にして稼いだわけではない「あぶく銭」を受け取れるとします。
その際に、全く関係のないBさんの承認が必須だという条件を付けます。
100万円の遺産があったとして、BさんがOKと言えばAさんは100万円受け取れますし、NGと言えば一銭も受け取れません。

Bさんはどう返事しようが、この100万円に対して関与する権利はありません。
ただし、Aさんから謝礼を受け取ることは可能とし、その額はAさんが決められるとします。

元々もらえるはずではなかった謝礼ですし、Bさんは1円でももらえれば得なわけです。
それに「NG」と言ってしまうと、その1円すら貰えなくなってしまうので損です。
だから、そもそも論で考えたら、Aさんが謝礼にいくら設定しても、Bさんは「OK」というしか無いように思えますが・・

ところが、多くの人が10%程度の謝礼を設定されない場合には、「NG」と答えるそうです。
私も損をするけれども、無条件で他人が得をすることを阻止したいという心理ですね。
人間、理屈が正しいからと言って、その通りに動くわけではないということ。

なぜこんなことを思い出したかというと、最近の政治において、立て続けに合理性を無視した結果がでているように思ったからです。

イギリスの国民投票で、EU離脱という結果が出ました。
結果の良し悪しではありませんが、離脱すればイギリス全体の経済に悪影響を及ぼすとわかりきっているのにです。
経済の理由だけではないのでしょうが、「株価」であるとか「為替」であるとか・・・
「そんな金持ちが得しようが損しようが関係ねー、俺たちの生活は変わらないか、移民なんかで我慢させられているのだから、俺たちは目先の利益になりそうなことに賭けさせてもらうぜ」という理屈でしょうか。

イギリス全体で考えたら損をするけれども、この地域だけで考えたら移民がいなくなるから仕事が増えるぜ!といった、極所観点での判断が上回ってしまったってわけですね。
「効率性」よりも「公平性」を重視した判断と言ってもいいかと思います。

「米大統領候補トランプ旋風」なども同じような構図だと思います。
「全員が損するなんて、理屈で考えたらありえんやろう!」と主張する富裕層と、「もう、目の前のことが我慢ならんのじゃ!」と訴える、既得権を持たない層の対立の図式ですね。

私は富裕層ではありませんが、どちらかと言えば合理性で考えたがる前者です。
それが当たり前と考えて判断、行動してきたつもりですが、必ずしも世論はそうではないという結果に、考えさせられるものがありました。
また、事前に正しくないとされていたチョイスをしても、時間がたってみたらそちらが正解だったなんてことも無いとは言えませんね。

前置きが長くなりましたが、何が言いたいかというと・・・
ベンゾジアゼピンなどの薬物の断薬なんかでも、合理性や理屈だけで進めてもダメなんだろうなということです。
もちろん、やめるということが得をする、よくなっていくという前提でのお話なんですけれど、

断薬することが最終的に健康体に近づくという信念は変わりませんが、寝られるのなら少しくらい飲んでもいいじゃないかという判断が過半数なのかもしれませんね。
この減薬の方法は理屈に合っているはずだと、その方法に固執して他を否定するのはいかがでしょうか?
それだけが正論、効率的だと考えると、できないと追いつめられてしまうので、非常につらいものになります。

私が「効率的」や「正論」であることを人一倍求めるのは、前もって正しい筋道を予測しておかないと、取り戻しがきかなくなるといった恐怖が人一倍強いからでしょう。
つまり、起こってもない不幸を恐れる、「予期不安」が強すぎるわけです。

今回の選挙で、多くの識者が「理屈からして損をするよ」といっている側に賭けた人は、「他人に得されるなら、死なばもろともじゃ!」と考える身勝手な人や、「先を何も考えていない」お気楽な人とも言えますが、
「やってみなきゃわかんないじゃん」、そして、「やってみてだめなら、戻ってやり直したらいいじゃん」とポジティブに考えられているのかもしれません。

私のように、自称「合理的」と考えている人間は、「一度間違えたら取り返しがつかない」と恐れてしまって、理屈の通る筋道が見つかるまで動けない、あるいはその道筋が行止りだった時にパニックになってしまう人間なのかもしれません。
結果として断薬に成功し、社会復帰できましたけれど、単に運が良かっただけかもしれません。
これから断薬される方は、一つの正論にとらわれることなく、柔軟にされることをお勧めします。

正解は結果からでしかわかりませんし、やり直しは何度でもできます。
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