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書籍紹介6
精神薬を否定した以上、現在の症状を緩和し、病を治癒するためには、自然治癒力を高めるしかないです。
何ができるかということになりますが、大きく分類すれば、「寝る」「運動する」、そして「食べる」ということに尽きると思います。

その内「食べる」ということに関しては、必要もしくは足りていない栄養素を選択的に摂取するということで、これまで興味はありましたが、あまり調べて実施できていない情報であります。
そこで今回、選んで読んでみました書籍がこれ。

心の病は食事で治す
著者:生田哲 (2005年初版)

心の病は食事で治す

  心の病は脳内の神経伝達物質のインバランスによって発生する
  薬を服用すれば症状は改善するが、副作用が懸念される
  服薬と類似な作用を、副作用なしで、食物、栄養素(サプリ)の摂取で実現する


概要を言えばこんな感じである。
分子整合精神医学」であると紹介している。

この手の話の元になる「理論」が100%正解なんてのはあり得ないのです。
そんなことがあり得るのなら、すでに精神疾患の治療方法は一元化されているわけでして、
加えて実際に仮説だけであって実験で実証されたり、検査で値が測定できるといった類のものではないことは指摘されています。

そのため、賛否両論があり、反対派からは「知識がない」なんて、書評では叩かれたりしています。
特にアマゾンの書評では、「自閉症」に関するくだりで大たたきされています。
私も突っ込むところがいくつかありましたが、私の文章力でどこまで書けますか・・(^^;
それでも全面的に信用するのではなく、参考になりそうなところだけ引用すれば、それはそれで役立つこともあるかな、というのが正直な感想です。

まず、大元の「心の病は脳内の神経伝達物質のインバランス」という考え方ですが、これは脳内の「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」等の物質が過不足を起こし、それが原因でうつ病や統合失調症を発症するという、「モノアミン仮説」から成り立っています。
今でもTVや雑誌などで精神科医が、まことしやかに訴える仮説ですが、「仮説」と言うくらいですから、科学的に実証されたものではありません。
むしろ、「抗うつ剤を飲んだらすぐに脳内物質が増えるのに、即効性がなく効果が表れるのに2週間程度かかるというのはおかしい」といった反論もあります。
私も多くは勉強できていませんが、それらの反証により、「モノアミン仮説は嘘だ」とする意見も多いです。
(これまたそう結論付けられたのか、自信がありませんが・・)
精神医学反対派の内海聡医師や、ロバート・ウィタカー氏なども、この立場で意見を言われているようです。

私も違った立場で、この「モノアミン仮説」には異論があります。
私は抗うつ薬を服用して、うつ症状が改善したと実感したことがありません。
SSRIもSNRIも服用したことはありますが、それによってやる気が出たとか、スッキリしたとか症状が改善したことがないんです。

これらのクスリを飲んでいるわけですから、脳内のセロトニンノルアドレナリンはじゃぶじゃぶに増えていたことになります。
それでも体調には全く変化がなかった。
つまりはこう考えます。

  脳内物質のアンバランスでうつ状態に陥る場合もあるが、それだけではない
  いろいろな原因でうつ症状を生じる場合があり、違う治療が必要である
  それにもかかわらず、原因が一つだと主張し、治療法も画一化しようとするからややこしくなる
  すべてを「うつ病」で括ろうとするから、治らないうつ病ができる


私もうつ症状はありましたが、その原因が「脳内物質のアンバランス」ではないなら、いくら脳内のセロトニンやらを増やしたところで効果がないのは当たり前です。

書籍の内容に戻りますが、抗うつ剤の効果(脳内物質の増加、補完)を、食物をとることで代用しようというものです。
具体的に書けば、ビタミンやミネラル、GABAなどのアミノ酸、DHAなどの脂肪酸を摂取するということです。
これはこれで効果があったという研究結果があるようで、あながち間違いだとは言いませんが。
上で書いたように、「抗うつ剤が効くタイプのうつ病であれば有効かもしれないが、そのほかに原因がある場合はその限りではない」ということなんじゃないでしょうか?

つまり、ケースバイケースで、この書籍に書いていることをすべて真に受けて食物制限をする必要はない。
ただ、これはもしかしたら足りていないかもしれないという項目があったとしたら、必ずビンゴするわけではないけれども、試してみたら効果がある場合があるかもしれない。
その程度の参考情報でしょうか。

全く無知に精神薬を飲むよりは、ここに書いていることを試した方がよっぽどマシですね。
少なくともこの本には、抗うつ剤の服用により自殺や他殺を誘引する場合があると言った副作用があることや、ベンゾジアゼピンの長期服用により、脳内のGABAが枯渇し不眠などが生じることが注意されています。
また「モノアミン仮説」のみを話題にしましたが、うつ病の原因は様々であり、その原因によって摂取する栄養素、食物が違うといったように、対応の仕方は一つではないという考えを取っており、画一的ではないところも評価できます。

話は元に戻るのですが、自然治癒力を高めるために効果がある栄養素の摂取にはどういうものがあるか、ここに書かれている内容を参考にして、いろいろ試してみようかなと思いました。
現実に今、体調は完全ではないわけで、まだこれから回復していかなきゃならないわけです。
何かが足りないのか、強化していかなければならないのか?

全部が正しいとも思わないし、でも参考になる部分は多々ありそうです。
少し化学の知識は必要ですが、読んでみる価値はある本だと思います。
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