「アイスバケツチャレンジ」というチャリティ活動が話題になっています。
ご存知の方も多いでしょうが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の認知度向上のための啓蒙活動で、IT企業の社長、俳優、スポーツ選手といった著名人が、この支援団体に寄付をするか氷水を被るという選択をする(両方でもいい)。
チャレンジしたものは、次の3人を指名して、連鎖的に活動が続くというモノですね。
ネット動画などに投稿されて、一気に広まりました。
一方、この行為がチェーンメール的であったり、お祭り騒ぎが先行し、一部売名行為であると思われるものもあることから、批判される向きもあるみたいです。
この活動の良し悪しは、このようにすでにあちこちで議論されていますから、ここでは違う観点で思ったことをつらつらと。
ALSは厚労省が臨床調査研究分野の対象としている特定疾患ということになります。
一般的には「難病」と称されますが、ALSのほかにも130疾患が指定されています。
臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)一覧表
では「難病」とは何を持って定義されるのでしょうか?
昭和47年厚労省が提示した「難病対策要綱」では次のように定義されているようです。
(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病
(2)経過が 慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために
家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
そんなの、がんとか他にも不治と言われる病気がありそうなものですが、「すでに別個の対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する」だそうです。
パッと見た感じ、「精神疾患」で指定されているものは無いように感じました(ホルモン異常などの類似症状を呈する疾患は除く)。
難病と思われていないのか、別個の対策体系で考えられているのか・・調べてもはっきりとはわかりませんでした。
もし詳しい方がおられましたら、ぜひ教えてください。
難病が意識され始めたのは、「スモン」という病気がきっかけという説もあります。
「スモン」は昭和30年代にあらわれた、歩行障害や視力障害などをもたらす、原因不明の“奇病”で、大きな社会問題になりました。
のちに、キノホルムという整腸剤による薬害であることが判明しますが、治療については対症療法しかなく、現在でも特定疾患の一つです。
それから、年々対象が拡げられ、2011年に現在の130疾患になりました。
定義にはありませんが、患者数の少ない希少疾患に注目するという面もあるようです。
たとえば今回話題になっているALSについては、世界で約12万人、日本には9000人弱の患者がいるそうです。
一方、厚労省の公表する、国内うつ病患者は2008年で104.1万人です。
患者数が多いから良い悪いなんてことはありませんが、注目度は確実に違います。
原因や治療法を探す研究だって、患者数が少なければ費用が出ないという弊害もあるわけで、この「難病対策」はそのための国家の取り組みでもありますね。
市場原理からしたら仕方がないことでしょうが、患者数の多い疾患の研究はどんどん進みますが、少なければなかなか進まない。
製薬メーカーからしても、新薬開発したら100万人が使ってくれるクスリと、1万人しか使ってくれないクスリとでは、開発にかけられるお金が違います。
うつ病などの精神疾患においては、その患者数が急増するとともに、処方薬(あえて治療とは書きませんでした)の開発が進みました。
ベンゾジアゼピンもその過程で生まれた、当時は画期的な薬だったのでしょう。
経済的に見合うと言う判断がされたからでしょう、様々な製薬メーカーから、様々な処方薬が製造されました。
結果、我々は治療と信じて長年、ベンゾジアゼピンを服用することになり、その後、常用量依存になって離脱症状に苦しめられることになります。
ベンゾジアゼピンが有用かどうかは別にして、その研究の過程で精神医療のの研究が進み、そのおかげで助かったという人がいるのかどうか・・わかりませんが、
いるとしたら研究の成果であり、患者数が多かったっことは一部の方にはメリットになったということです。
しかし・・どうなんでしょう。
もし、患者数が多いからと言って効果がありそうなクスリを開発し、乱売することによって多くの患者がそれらを服用し、
実はそれに副作用があると後でわかった・・・
残ったのは多くの中毒患者・・・それもまた悲劇。
難病に指定された疾患に苦しむ患者の方は、本当にお気の毒だと思います。
何を拠り所にしていいかわからずに、非常に心細いことでしょう。
しかし、自分を正当化するわけではありませんが、医療が信頼できなくなって心細いのは我々も同じです。
患者数が多かろうが、治療法が確立している(わけではないですが・・)と言われようが、治らないかもしれないと苦しんでいるのは同じです。
むしろ難病指定されている疾患の方が、「市場原理」や「経済活動」といったことに左右されず、純粋に研究してくれるであろうから、より信用できるのではないか?
そんな被害妄想的なことを考えていました。
今回のアイスバケツチャレンジの取り組みを一過性の流行事のように取り扱うのではなく、
難病であれ、そうでない疾患であれ、辛い症状に耐え闘病している者を思いやる、慈悲の取り組みとして末永く心にとめていただければと思います。
ご存知の方も多いでしょうが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の認知度向上のための啓蒙活動で、IT企業の社長、俳優、スポーツ選手といった著名人が、この支援団体に寄付をするか氷水を被るという選択をする(両方でもいい)。
チャレンジしたものは、次の3人を指名して、連鎖的に活動が続くというモノですね。
ネット動画などに投稿されて、一気に広まりました。
一方、この行為がチェーンメール的であったり、お祭り騒ぎが先行し、一部売名行為であると思われるものもあることから、批判される向きもあるみたいです。
この活動の良し悪しは、このようにすでにあちこちで議論されていますから、ここでは違う観点で思ったことをつらつらと。
ALSは厚労省が臨床調査研究分野の対象としている特定疾患ということになります。
一般的には「難病」と称されますが、ALSのほかにも130疾患が指定されています。
臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)一覧表
では「難病」とは何を持って定義されるのでしょうか?
昭和47年厚労省が提示した「難病対策要綱」では次のように定義されているようです。
(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病
(2)経過が 慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために
家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
そんなの、がんとか他にも不治と言われる病気がありそうなものですが、「すでに別個の対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する」だそうです。
パッと見た感じ、「精神疾患」で指定されているものは無いように感じました(ホルモン異常などの類似症状を呈する疾患は除く)。
難病と思われていないのか、別個の対策体系で考えられているのか・・調べてもはっきりとはわかりませんでした。
もし詳しい方がおられましたら、ぜひ教えてください。
難病が意識され始めたのは、「スモン」という病気がきっかけという説もあります。
「スモン」は昭和30年代にあらわれた、歩行障害や視力障害などをもたらす、原因不明の“奇病”で、大きな社会問題になりました。
のちに、キノホルムという整腸剤による薬害であることが判明しますが、治療については対症療法しかなく、現在でも特定疾患の一つです。
それから、年々対象が拡げられ、2011年に現在の130疾患になりました。
定義にはありませんが、患者数の少ない希少疾患に注目するという面もあるようです。
たとえば今回話題になっているALSについては、世界で約12万人、日本には9000人弱の患者がいるそうです。
一方、厚労省の公表する、国内うつ病患者は2008年で104.1万人です。
患者数が多いから良い悪いなんてことはありませんが、注目度は確実に違います。
原因や治療法を探す研究だって、患者数が少なければ費用が出ないという弊害もあるわけで、この「難病対策」はそのための国家の取り組みでもありますね。
市場原理からしたら仕方がないことでしょうが、患者数の多い疾患の研究はどんどん進みますが、少なければなかなか進まない。
製薬メーカーからしても、新薬開発したら100万人が使ってくれるクスリと、1万人しか使ってくれないクスリとでは、開発にかけられるお金が違います。
うつ病などの精神疾患においては、その患者数が急増するとともに、処方薬(あえて治療とは書きませんでした)の開発が進みました。
ベンゾジアゼピンもその過程で生まれた、当時は画期的な薬だったのでしょう。
経済的に見合うと言う判断がされたからでしょう、様々な製薬メーカーから、様々な処方薬が製造されました。
結果、我々は治療と信じて長年、ベンゾジアゼピンを服用することになり、その後、常用量依存になって離脱症状に苦しめられることになります。
ベンゾジアゼピンが有用かどうかは別にして、その研究の過程で精神医療のの研究が進み、そのおかげで助かったという人がいるのかどうか・・わかりませんが、
いるとしたら研究の成果であり、患者数が多かったっことは一部の方にはメリットになったということです。
しかし・・どうなんでしょう。
もし、患者数が多いからと言って効果がありそうなクスリを開発し、乱売することによって多くの患者がそれらを服用し、
実はそれに副作用があると後でわかった・・・
残ったのは多くの中毒患者・・・それもまた悲劇。
難病に指定された疾患に苦しむ患者の方は、本当にお気の毒だと思います。
何を拠り所にしていいかわからずに、非常に心細いことでしょう。
しかし、自分を正当化するわけではありませんが、医療が信頼できなくなって心細いのは我々も同じです。
患者数が多かろうが、治療法が確立している(わけではないですが・・)と言われようが、治らないかもしれないと苦しんでいるのは同じです。
むしろ難病指定されている疾患の方が、「市場原理」や「経済活動」といったことに左右されず、純粋に研究してくれるであろうから、より信用できるのではないか?
そんな被害妄想的なことを考えていました。
今回のアイスバケツチャレンジの取り組みを一過性の流行事のように取り扱うのではなく、
難病であれ、そうでない疾患であれ、辛い症状に耐え闘病している者を思いやる、慈悲の取り組みとして末永く心にとめていただければと思います。
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