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うつ病臨床における「えせ契約」について
いつも参考にさせていただき、ここでもよく引用する「精神医療の真実  聞かせてください、あなたの体験」というブログがあります。
最新のエントリーで、非常に共感する内容がエントリーされていましたので、引用して紹介させていただきます。
(作者の「かこさん」には了承をいただきました)
なお、一部抜粋にさせていただきますので、詳細は上記URLよりご確認ください。

内容は、獨協医科大学越谷病院の井原裕氏の論文――『うつ病臨床における「えせ契約」について』――精神神経学雑誌(2010年 112巻11号)について紹介されたものです。
精神医療の世界で、現役の精神科医が書いた、という点で、意味がある」と書かれていますが、私もそう思います。

「現代医学を過信する患者たちは、医者はその気になれば何でもわかるし、相談すれば何でも解決してくれると思っている。一方、医者は、医療には限界があり、行き過ぎた治療は危険だと思っている。この、医療を過大評価する患者と、過大評価と知りつつ誤解を解こうとしない医者とのあいだで、治療契約は相互欺瞞の営為と化した」

これは井原医師が論文中で引用した、イギリスの雑誌(BMJ)に寄稿された論文(Smith.R)の内容である。
えせ契約」とは「医師と患者のあいだで結ばれる契約」だがその契約は「相互欺瞞」だと断じている。
(欺瞞:あざむくこと。だますこと)

さらに井原医師は次のように論じた。

「うつ病は脳の病気」とのテーゼは、うつ病臨床における「えせ契約」の温床となっている。……医師側は、自身の責務を薬物療法に限定させようと思ってこう宣言するが、患者側は、逆にすべては薬で解決してもらえるのかと錯覚する。その際、両者は重大な事実を隠ぺいする。医学には限界があり、人生のすべての問題を抗うつ薬が解消してくれるわけではないという自明の理である。

 このテーゼが危険なのは、精神科医の側に治療者としての不安を脳仮説に固執することで解消しようとする強迫観念としての側面があるからである。脳仮説に対する信念の強さは、面接技術の自信のなさと比例する。だからこそ、一部の精神医学者は、薬だけではどうにもならない今日の状況を見ても、依然として「うつ病は脳の病気」と強弁するのである。


次はかこさんの解説ですが、あまりに的を得ているので、そのまま引用させていただきます。

要するに、医師とすれば、「うつ病は脳の病気」という仮説を信じていれば(信じたふりをしていれば)、「薬さえ処方しておけば治るはず」という言い訳を自らにすることができるし、患者の側としても、現在の状態を自身の性格、生き方の問題などでとらえるよりも、脳の病気とされる方がずっと気が楽かもしれず、医師が言うように、薬さえ飲めば治ると信じることができる。
ということは、どちらも「脳の病気である」という仮説にすがっている部分があるということだ。

しかし、「うつ病は脳の病気」というのは、SSRIの作用機序に合わせて作られた仮説にすぎず、製薬資本の販売戦略がそのまま臨床の現場で実現されているということだ。


この論文が我々に警告くれていることはいくつかあります。

ひとつは「医者が何でも治してくれると過信するな」ということ。
そして「『うつ病は脳の病気』というのはあくまで仮説であり、自身の性格、生き方の問題などが原因かもしれない」ということ。

患者にとっても、絶対的に頼る存在(=医者?薬?)が不確かなものになるので、これを受け入れることは辛いことです。
だからといって、私のように「10年間、治りもしないのに薬を飲み続けて」どうなったか?
薬が必要であった時期はないと断定するつもりはありませんが、安易に、全面的に頼り続けた結果がベンゾジアゼピンの依存ならびに離脱症状です。

じゃあ、どうしろというのだ!!
医者が、服薬が必要だ、あなたは病気だといっているのに、何の根拠もなくやめろというのか?

ごもっともです・・・
何が正解なんて、私にはわかりません・・
でも、考えてほしいのです。
「医者や薬に頼っておけば大丈夫」と依存してしまっていませんか?
そうであれば、一度、見直すことも意味があるんじゃないですか?
少なくとも私のように、治らないのに長期服薬の末、その副作用で社会生活が送れなくなるようなことは避けられます。

長くなりますが、最後に、井原医師が書いた「精神科医からのメッセージ」を引用します。

大事なお知らせがあります。事実を知っていただきたいのです。
私どもにとって,皆さまのご期待はまことに重荷です。
私どもにできることには限りがありあます。
不安、悲しみ、抑うつ、自己嫌悪、それらは人生につきまとういたしかたないものなのです。
私どもには、これらのすべてをとりさってさしあげることはできません。
「プロによるこころのケア」といっても、家族の愛情のかわりになるものではありません。

薬を飲むことには意味があります。
しかし、薬は万能ではありません。
薬は人生をバラ色に染め上げるものではありません。
薬は、人生につきまとう憂うつや不安をすべて消し去ってくれるわけではありません。
貧困失業、超過勤務、パワハラ、派遣切り、多重債務、対人関係、家族関係、
これらの問題を投げかけてくださっても、私どもはまことに無力です。
薬は、これらを解決してくれないでしょう。

ご自身以外の誰一人、これらの問題を解決する人はいないのです。
どうぞ、お忘れならないように。人生の主役はあなた自身です。
私どもは、あなたにかわって、あなたの人生を生きてさしあげることはできないのです。

もっとも、私どもは「まるで役立たず」ではありません。
ご自身が人生の主役である、ということをお忘れにならないかぎり、
私どもは微力ながらご支援を続けるでしょう。
私どもはご支援させていただく所存です。時の流れがすべてを洗い流してくれるその日まで。



(注:引用させていただきましたが、井原医師ならびに獨協医科大学越谷病院を支持、推奨するものではありません、これらの機関の治療内容について検証はしておりません)
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Comment 2

〇〇〇

こんにちは。

医師を過信する人が損をする。本当ひどい話と思います。

心の風邪は受診しろっと煽っておいて、そこにあるものは、作用の仕組みすら分からない、なんか知らないが、脳に影響のある薬。そして、そんなことは知らされず、飲まされる。

人を信じてはいけない。権威のある人ほど、怪しい。

少なくともリスクくらい説明してほしいですが、それを知れば、多くの人が服用しないでしょうから、無理でしょう。

離脱症状なのか、なんか分かりませんけど、体調がよくない。お互い辛いですね。

2013/08/02(Fri) 20:50

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CaliforniaRocket

Re: タイトルなし

> 〇〇〇 さん

私もなんかわかりませんけど、頭が痛いです(^^;
なかなか絶好調にはなりませんね。

でも、我々は、そのことに気付けたから。
今では断薬できているから、これ以上服薬して、余計に悪くなることは避けられたじゃないですか。
最悪になる前に、抜け出せてよかったと、いい方に考えましょうよ。

そして、いままさに薬漬けの人たちに、気づいてもらうことが、私たちの役目なんだと思います。
これからも、よろしくお願いします。

2013/08/02(Fri) 22:06

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