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Mistrust in medical service
緊急事態宣言の一部地区における解除が発表されました。
除外された東京や大阪でも、早ければ来週にでも解除されそうな気配です。

一安心とホッと感じるのは人の性でしょう。
ただ、この瞬間も医療関係者の方々は不休のご苦労をされているわけで、これ以上負担をかけないためにも油断は禁物です。

医療に対する信頼感といいますか、万能感と言いますか、
個人的に抱く印象は、この数年でずいぶんと変化しています。

元々は、医療大好き、クスリ大好き、ちょっと調子が悪いだけですぐに病院にいくタイプでした。
そして症状が軽くてもクスリの処方を要求し、クスリを飲んでいたら安心する、といった人間でした。
ある意味、依存症と言ってもよかったかもしれません。

精神科に通院するときも全面的な信頼を置いており、10年間全く良くならなくてもせっせとクスリを飲み続けていました。
クスリにも相性があるとか、難治性のうつ病は時間がかかるけれど諦めないでという言葉を信じ続けて。

精神医療に不信を感じたきっかけは、このブログに書いているように、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の有害性と酷い離脱症状でした。
今となってはその副作用や依存性について話題となっていますが、私が服用した当時は安全なクスリと言われており、
何よりも、クスリに対する効果や副作用の説明なんかなしに、「これを飲みなさい」って感じで選択肢なんてありませんでした。

いまさら「実は依存症があって長く続けるクスリではなくて、止めるときに酷いリバウンドが出る恐れがあります」なんて言うなよ・・・
そんな感じで、長い期間、酷い離脱症状に耐えてきたという自負があって、精神医療なんて信じられない、
元をたどれば、医療なんて全部不確かなことも多く、過度な信頼をしてはいけない、そんな医療不信が続いていました。

そして今回のコロナ騒動です。
確かに医療は万能ではないということが、今回の対応でわかると思います。
しかし、万能ではない中、自身にも危険が及ぶことを覚悟しながら、医療関係者の方々は尽力されており、
また、我々もいざとなったら、それに頼るしかない。

「医療崩壊」という言葉が今回取沙汰されていますが、「医療崩壊」なんて結構簡単に起こるものだと気づかされました。
今回のような特殊なケースもそうですが、そうでなくても病院の運営のマンパワーはギリギリのところで成り立っているそうです。
クスリに対する副作用の説明がなかったということを書きましたが、たとえば患者に対する説明の時間を一人当たり5分増やしただけで、外来診療は医療崩壊すると聞いたことがあります。

それが正しいのなら、医者の質や説明がないことが悪いのではなく、マンパワーが少ないことが問題なのか?

今回は特殊なケースでしょうが、医療は万能ではない、その中でも多くの従事者は全力を尽くされており、有事にはそれに頼るしかないということを再認識しています。
また手が足りなかったということはあるでしょうが、確定診断が遅れ、軽症と診断されて治療が遅れたために亡くなられた方のニュースも多く、ミスではないのかという評価もあります。

医療に対する心象が目まぐるしく変わったここ数年ですが、これからどう付き合っていくのかいいのか、
一方的な正解なんてないのでしょうが、再び価値を考える、いい機会になっていると思います。
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