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Status Quo Bias
年末で忙しい時期ですが、携帯のMNPをしてきました。

auで長らく維持していた3G回線が一つあって、それをdocomoのiPhoneに変更してきました。
総務省の施策により、本体の大幅な値引きが封じられた今、MNPするのがお得かどうかは判断の分かれるところでしょうが、
現時点で、そして今後しばらくは今日の案件以上にお得なものはないだろうと考えて、急いで契約してきました。

世間ではMNPってどう考えられているんでしょう?
キャリアを乗り換えることで値引きがあることはご存知な方も多いのでしょうが、変えることのデメリット、たとえばメアドが変わってしまうことや、特に手続きが面倒だという理由で選択肢にも入らない人も多いんじゃないでしょうか?

今日MNPしたauの回線は、25年間も長期契約していた回線でした。
阪神大震災の直後に契約してから、そのまま維持してきたものです。
金銭的なメリットだけを考えたら、これまでもMNPする機会はあったでしょうが、長い間契約しているものを変えてしまうことに対して、惜しいような、寂しいような感覚があって、躊躇してきたことは確かです。

その都度、メアドが変わったら昔からの知り合いが連絡できなくなって困る、であるとか、実家の親がauだから家族通話ができないようになって困るといった、変えないことに対する言い訳をしてきました。
20年も連絡してこなかった旧友が再度連絡してくる確率はゼロに近いでしょうし、家族通話はLINE通話などでいくらでも代替が効きます。
MNPすることが圧倒的に金銭的に得であっても、長らく契約している環境を変えることは圧倒的なストレスがかかるという証拠です。

いや、MNPを推奨しているわけでも、長期契約のメリットを否定しているわけでもないのです。
当人にとって、本当に価値があって、理由があって、決めていることなら、それが正解です。

以前にブログでも書きましたが、人は「現状維持バイアス」という心理に、選択が影響される傾向があります。
変化することに不安を感じるであるとか、悪化を恐れてリスクをとりたくないとかいうもので、依存症から抜けられない要因の一つでもあります。

たとえばタバコを吸っていて、止める方が圧倒的にいいと分かっていながら、止めない理由を必死で考えている。
やれ、「喫煙所で決まる仕事の話もある」とか「タバコが特定の疾患に対しては良い効果がある」といった。

携帯のキャリアを変えられないことと同じだなんて、こじつけにすぎないと思われるでしょうか?
本心ではそれがいいと思っているのに、なんだか惜しい、不安という思いで変えられないというなら同じだと思います。
ベンゾジアゼピンを止めたいけれど、先が不安で止められない、なんてのも同じです。

何度も言いますが、本心から必要と思っているなら、それは他人から指図されることではないでしょう。
でも変えたいのなら、怖いかもしれませんが一歩踏み出してみる、本当にどうしたいのか自分に聞いてみることも必要です。

現状維持バイアスに支配されて、25年も変えられなかった契約を変えるのは、かなり決心がいりましたが、
変えてしまったら変な柵がなくなってスッキリしたように思います。
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