Feel others' pain

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NHKのあさイチという番組に、おおたわ史絵というタレント医師が出演していました。

TVに出ている医師なんて、全員ろくなもんじゃないですよね。
こいつらの話なんて信頼できるか!と斜に構えて見ておりました。

番組自体はそれほど中身のあるものではありませんでしたが、あれ?ちょっと違うのかなと。
彼女の現在の肩書は総合内科医で、刑務所などで受刑者相手に医療行為を行っているようです。
そして、薬物などの依存症患者の治療を主に行っているとのこと。

もともとはタレント医師としてTVに出たり、父親の医療法人を継いだりしていたようです。
それが今の仕事を選んだのは、思い付きではなく彼女の母親に原因がありました。

彼女の父親は内科医、母親は看護師、そして母親は麻酔性鎮痛剤の依存症で最終的には心臓発作で亡くなったそうです。
違法薬物ではありませんが、ベンゾジアゼピンなんかと同じで、依存性のある薬物です。
自宅が病院ということで、それが安易に手に入り、自分で注射することが簡単だった、そして依存症に陥ります。

家族のことも信じられなくなり、薬物のために平気で人を裏切り、孤独のうちに亡くなった母親との関係性を悔やみ、
そうやって、依存症相手の治療というのを志されたそうです。

ここで興味深いのは、医師あるいはその関係者であっても、(処方薬の)依存症になりうること、
そして医者であっても、治療の方法がわからず、家族に対して何もできないこと。

こういう話を聞くたびに、底意地悪く思うことがある、「そらみたことか」と。

医者の言うことを聞いて服薬しているんだから大丈夫だという人がいる、
断薬をするのに、医者の言うことを丸呑みに信じて、それじゃなければできないという人がいる、
本当にそうか?

逆に、こうやって自分が無力で、家族も助けられない、そのために必死に勉強するという医者もいるということに希望を感じた。
気の毒な話ではあるが、こうやって医療が万能ではないことを知る医師が増えるたびに、手法やテクニックはきっと進歩するだろう。

では患者の方はどうか?
依存症の患者が、クスリや医者への依存を手放せるのか?

彼ら、彼女らが、「救えなかったこと」を悔やみ、考え方、やり方を変えるように、
患者も「救われないこと」を学び、自分が変わることが一番重要なのだと思います。

そして、おおたわ女史の今後の発言や活動に注目したいと思いました。
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