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Medical licensing examination
先月の日経ビジネスOnlineで面白い記事をみつけました。
医師国家試験は簡単? 合格率90%の謎

医師が国家資格であり、大学医学部を卒業して受験資格が得られる国家試験に合格してはじめて医師となることはご存知でしょう。
ではその国家試験の合格率はどれくらいかご存知でしょうか?

3月19日に今年の合格者の発表がありましたが、合格率は90.1%!
世間的に難関資格と言われている、司法試験22.5%、公認会計士試験11.2%などに比べると、ずいぶんと合格率が高く感じます。

だから医師は大したことないとか、信用がならないなんてことを言いたいわけではありません(ちょっと思いますけど・・)。
程度差はありますが、一般的には偏差値の高い大学医学部に合格した秀才が、国家試験に向けて何年も勉強し、知識をためこんで試験に臨むわけで、専門家であることは違いないわけです。

ただ合格率9割ということは、落とすための試験ではなく、周りと同じことをしっかり勉強していれば通るということ。
人より抜きんでる必要も、ドクターXみたいな特別のスキルがもとめられるわけでもないということです。

一方で面白いデータがあります。
合格率は出身大学ごとに公表されているのですが、誰に聞いても日本で一番難しいと異論がないであろう、「東京大学医学部」の合格率はいくらだったか?
なんと全国平均を下回る(ほとんど変わりませんが)、90.0%。

日本で一番頭のいい集団の合格率が、なぜ全国平均より低いのか?
正解はわかりませんが、先の記事では以下のように考察しています。

先にも書いたように、医師国家試験は皆と同じ勉強をして同じ知識を仕入れていれば通る試験なわけです。
一般的、オーソドックスな症例や治療適応などを回答していればよいということです。

ところが東大医学部のエリートはそれだけに飽き足らず、すでに医師になっている人に向けた最新の治療ガイドラインや最新論文などを読むといった、より深い勉強をする人もいるということ。
ここからは推測とされていますが、出題された問題の答え(=そ の分野の医師の常識)と最新の医学論文はときどき相反する結果になることがある そうです。

医学だって、時間が経てば常識が変わることもあります。
最新の論文ではその時点でまだ常識にはなっていない、疑問点の提言などもあり、それを試験で回答すると不正解になるといっているわけです。
まあ、本当のところはわかりませんけれど。

穿った見方かもしれませんが、逆も言えるわけで・・・
国家試験通りたての医師なんて、その時点で一般的、汎用的な常識しかないわけです。
国家資格は問題を起こさない限りはく奪されませんから、そこから論文やらで新知識を仕入れなければそのままの常識の医師がいくらでもいるだろうということは想像に難くありません。

医師が勉強していないというわけではなく、すべての情報をインプットすることは不可能です。
よほど話題になったり、医学会全体でエポックメーキングを認めたりしなければ、自分の常識を書き換えることはしないでしょう。

何が言いたいかというと・・・
自分はベンゾジアゼピンの薬害に気が付いて止めたく思っている、
主治医に相談したけれども離脱症状などについて認めてくれない、
散々主治医と喧嘩をして、ストレスをためる。

そんな「あるある」をよく耳にしますが、止めたいのなら主治医を無視して止めるか、
薬害を認める医師を探してさっさとそこに行けということです。
議論して主治医に認めさせようなんてことには全く意味がありません。

主治医は主治医でしっかり勉強して専門家であるという自負があるでしょうし、素人が言ったって認めるわけはないということは、自分の仕事に置き換えてみたらわかるんじゃないですか?
医師だって人間だし、医療だって仕事の一種です。
間違いもあることだし、常に最新情報にアップデートされているとも限らない。

90%という合格率を見て、その程度のものと認識して、医療と向き合うことが必要なのかなと思いました。
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